【京都市右京区】気品あるメロンの風味を存分に。アーモンド香るブランマンジェと味わう夏のグラスデザート。西院[CAKE TAGU]の「メロンブランマンジェ」
四条通沿いのパティスリーで出会う、季節のグラスデザート

西大路四条の交差点から、四条通を西へ。春日通(佐井通)を過ぎた先の南側にあるパティスリー。ガラス越しにのぞくケーキたちが、通りすがりの人の視線を惹きつける。
シェフの田口さんは、祇園の洋館カフェ「デザートカフェ長楽館」で厨房長を務めるなどキャリアを積んだのち、独立。「誰もが知っているケーキや伝統菓子を、時代にあわせたアレンジを加えながら伝えたい」という想いで、2023年末にこの店をオープンした。
ショーケースには、苺のショートケーキをはじめ、モンブラン、チョコレートやピスタチオを使った定番のほか、旬の素材をふんだんに使った季節限定ケーキが豊富に並ぶ。なかでも気温が上がる時季にショーケースを賑わせるのが、涼やかなグラスデザート。「メロンブランマンジェ」は、例年5月から6月頃に登場。その時に一番おいしいメロンを厳選しながら、9月頃まで楽しめる。
みずみずしいメロンと濃厚クリームが重なる、夏のブランマンジェ

フランスの伝統菓子であるブランマンジェは、牛乳にアーモンドの香りを移し、生クリームを加えて冷やし固めたもの。伝統のレシピに忠実に作るこの店のブランマンジェも、濃厚なミルクのコクと、香ばしいアーモンドの風味の重なりが印象的。洗練された味わいは、どんなフルーツとも相性がいい。
「メロンブランマンジェ」は、ブランマンジェの上に、メロンシロップをたっぷり染み込ませたジェノワーズ(スポンジ生地)とクレーム・パティシエール(カスタードクリーム)、さらに生クリームを重ね、薄くスライスしたメロンで天面を飾ったグラスデザート。


生地に染み込ませたシロップは、メロンの甘さを最も蓄える「わた」の果汁を、最後の一滴まで絞りきって作っている。ほんの少しのコアントローを忍ばせるのがシェフの技。瓜科特有の青っぽさをやわらげ、メロン本来の甘く華やかな香りを引き立てている。そのシロップをたっぷり染み込ませた生地をひと口食べれば、果実のおいしい部分だけをすくい取ったような、濃厚ながらも澄んだ風味が広がる。
フレッシュメロンの清涼感は、カスタードと生クリーム、ふたつのクリームの豊かなコクと重なることでさらに際立つ。グラスの底のブランマンジェが、メロンとクリームの贅沢な甘みを軽やかにまとめ、上品な余韻へと導いてくれる夏のスペシャリテ。
色とりどりのケーキに焼菓子も、心ときめくショーケース

見るだけで心ときめく鮮やかなケーキが並ぶショーケース。夏には「メロンブランマンジェ」のほか、マンゴーや桃を使ったグラスデザートも登場し、人気を集めている。また、フィナンシェやフロランタンなどのフランス伝統の焼菓子も揃え、箱入りでギフトにも対応している。
夏限定でアイスクリームも展開中。ガトーショコラやタルトを混ぜ込んだものなど、パティスリーならではの「スイーツなアイス」が味わえる。

パウンドケーキやクグロフなど、カットして楽しむ大きめの焼菓子も揃え、なかでも「ガトーロラン」は日本ではなかなか出会えない逸品。フランス・ロレーヌ地方の伝統菓子で、メレンゲをベースにした、さくっと軽やかな口あたりと素朴な味わいを楽しむケーキ。こちらではクグロフ型で焼き上げている。ギフトや手土産にしても喜ばれそう。
シンプルに、丁寧に。長く親しまれる街のパティスリーへ


阪急西院駅から徒歩4分ほど。四条通に面した木とガラスの外観が目印のパティスリー。「地域の人に長く愛される店でありたい」というのがシェフの想い。昔から親しまれてきたケーキを、素材を生かしたシンプルな味わいで、今の感覚に合うデザインへとブラッシュアップしている。少しずつ西院に浸透し、常連客も増えてきたそう。日常に寄り添う「街のケーキやさん」の新しいカタチが、ここにある。