【京都市中京区】儚くほろ苦いレモンスカッシュと、夏だけの美しい赤シソソーダを。木屋町三条[深夜喫茶/ホール 多聞]で過ごす京都の夜
喧騒のそばで、そっとひらく地下喫茶

木屋町三条を下がった東側にあるビルの地下1階。階段を下りてガラス戸を開けば、ムードある仄暗い空間が広がっている。平日は18時、夜の入口に静かにオープンする喫茶店。週末と祝日は12時から営業しており、地上の喧騒から少し距離を置き、静かにランチができる穴場でもある。
北白川「深夜喫茶 しんしんしん」の姉妹店として2024年に誕生した。学生街にある「深夜喫茶 しんしんしん」とは異なり、飲み屋街のただ中にあるこちら。がらんとひらけたワンフロアには、話し声や食器の触れ合う音、静かに流れる音楽など、いくつもの音の気配が重なっている。そんな多くの音を聞きながら、ゆったりと過ごしてほしいという想いを込め、店名に「多聞」とつけた。
コーヒー、紅茶、チャイなどのソフトドリンクと、カクテルやウイスキー、ビールなどのアルコールを用意。自家製スイーツやトースト、サンドイッチ、人気のナポリタンなどフードも楽しめる。なかでもおすすめは、スタッフが自ら仕込んだシロップで作るドリンク類。定番のレモンスカッシュやジンジャーエールから、旬の素材で作るドリンクも期間限定で登場する。
ほろ苦く爽やかな、大人のレモンスカッシュ

レモンスカッシュは、シロップとソーダが2層に分かれた、カクテルのような一杯。トールグラスに浮かぶ輪切りレモンが愛らしい。カルダモンを効かせた、スッと鼻に抜ける爽やかさとビターな風味が特徴で、皮のまま砂糖漬けにしたシロップのほのかな苦味と相まった、大人の味わい。炭酸がシュワッと喉を刺激したあとには、口中が心地よい香りに包まれる。

「ドリンクと一緒に甘いものをつまみたい」。そんなときには「多聞クッキィ」がおすすめ。オーナーが描いたイラストの型で作る自家製クッキーは、ふんわりと香るバターの風味とさくっとした食感が、どんなドリンクとも好相性。
夏の夜に飲みたい、赤シソ香るルビーレッドの一杯

シロップ作り好きのスタッフが季節素材で作る自家製シロップを使った、限定ドリンクもおすすめ。夏限定の「赤シソソーダ」は6月頃から登場する。赤シソを煮出したシロップは、美しいルビーレッドが印象的。リンゴ酢を加え、より華やかでフルーティーな味わいにしている。昨年より登場したメニューだが、今年はリンゴ酢を控えめにしたことで、赤シソの香りが際立つシロップに仕上がったそう。外の蒸し暑さを忘れさせてくれる、気品あふれる爽やかな一杯を、ぜひ試してほしい。この夏には梅シロップを使ったドリンクも登場予定とか。そちらもお楽しみに。
ドリンクには+200円でアイスクリームをのせることもできる。好きなドリンクと合わせてクリームソーダにするのもおすすめ。「多聞クッキィ」を一緒に注文し、アイスをすくいながら食べる人も多いとか。
にぎわいと過ごすのも、静かな夜も、自由なフロア

メインフロアには、昭和の純喫茶に置いてあったような、ヴィンテージ感のあるソファやテーブルが並ぶ。さまざまなデザインのものが揃い、席ごとに異なる雰囲気が楽しめるのも魅力。友人同士でコーヒーブレイクを楽しむのも、アルコールとつまみでバーのように過ごすのもいい。木屋町の夜を、いっそう自由にしてくれる場所。


ひとりで静かに過ごしたいなら、読書室へ。こちらは、すべて壁を向いたカウンターになったひとり専用席。窓からのぞくメインフロアの賑わいを遠くに聞きつつ、本を読んだり、思考を巡らせたり、自分とじっくりと向き合える場所。
店名に冠されている通り、フロアはイベントホールとして貸し出しており、トークイベントやライブ、結婚式の二次会などで利用されている。読書室のみの貸切も可能とか。
灯りと器と内装に映る、昭和の記憶


店内にはレトロな雰囲気の、個性豊かなライトがたくさん灯る。オーナーが趣味で少しずつ集めたもので、やわらかな光が空間を温かく包んでいる。食器も同様に、昭和の家庭の食器棚に収まっていたようなカップアンドソーサーや、純喫茶で見かけたような古いグラスやプレートを揃える。懐かしい風景を、空間にぎゅっと詰め込んだ店。
深夜3時まで灯る、街なかの夜の居場所


営業は深夜3時まで。街で遊び疲れた後の休憩に、仕事帰りの一杯に、あるいは飲みの締めにも。ここにあってよかったと思える、街の居場所。6名以上の来店は予約をお忘れなく。