【京都市上京区】3日煮込んだまろやかな旨みが絶品。西陣[つち福]の夏の名物「蕎麦屋のカツカレー」
ごろごろ野菜の旨みがたっぷり。40年来ファンに愛されてきた夏限定のカツカレー|LOVE THE CURRY VOL.105


明治38年から4代続く西陣の蕎麦店、夏の人気メニューはなんとカレーライス。
和風のお皿によそわれた白いご飯とヒレカツの上に、銀色に輝くランプのようなグレイビーボート――。自分でルウをかけるスタイルは、憧れと親しみが綯い交ぜ(ないまぜ)になって心ときめく。キリリと冷えた水入りのコップ、ナプキンで巻かれたスプーン、手書き文字が二色刷りになった箸袋も風情満点。
コロコロと大ぶりのじゃがいもやにんじん、煮込まれてトロトロなったざく切りの玉ねぎなど、具の存在感がしっかりあるルウの佇まいは、和やかで家庭的。

「蕎麦屋のカレー」らしく出汁の旨みがありながら、まろやかで深みのある味わいは、他のどこにもないおいしさがたまらない。
ひとさじ口に頬張れば、独自配合のスパイスの辛みに続いてフレッシュな甘みと酸味が追いかけてくる。これはりんごの王様「ふじ」がたっぷり入っているから。さらに黒毛和牛の脂の甘みも味を重層的にして、生姜やにんにくの風味も余韻も深く、もうひとさじ、もうひとさじと、スプーンを動かす手が止まらなくなる。
長時間弱火で煮込んだカレーを一晩寝かせることで、味が落ち着いて深みが出るのだそう。
サックサクのヒレカツと絡めるとまた至福の味。やわらかくあっさりとした豚ヒレ肉を、細目のパン粉で揚げたヒレカツは下味がほんのり付いていて、それがまたカレーの味わいと良い塩梅にマッチする。さらに赤い福神漬との相性も抜群。
カツカレーのほか、海老フライがのった「海老カレー(1,400円)」も有り。
ぴかぴかに磨き上げられた昭和の味わいにほっこり


カレー誕生のきっかけは、40年ほど前に常連客から「カレーライスはないんですか?」と訊かれ、谷垣いづみさんが「それなら作ってみようか」と思い立ったことから。いづみさんは3代目亡きあと、「3.5代目」として店を守ってきた。
カレーライスだけを食べに40年通い続ける長年のファンや、夏が近づくと「カレーまだなの?」と尋ねる常連客もいるそう。カレーが登場する時期はといえば、「暑くなったら」。「寒くなったら」カレーの季節は終り、代わって「牡蠣蕎麦」などの冬の限定メニューが登場する。
昭和の趣を残しながら、隅々までぴかぴかに磨き上げられた店内で時間を過ごすだけで、谷垣さん一家の小気味好いあたたかなこころに触れられるよう。
明治から続く西陣の味

千本通沿いに出ている「老舗の味は秘宝」という看板通り、出汁のおいしさの秘訣は企業秘密。3代目から3.5代目、そして4代目へと、「つち福」の味わいは代々受け継がれていく。
写真/三村博史
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つち福
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当ページに掲載されている店舗情報は、2026年07月28日時点のものです。営業情報やメニュー等が異なる場合がありますので、事前に確認の上ご利用ください。
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